第19章

「俺を殴りやがったのか?!」

陸原凛は痺れる頬を押さえ、目の底の愕然を一瞬で怒りに塗り替えた。

陸原家で蝶よ花よと育てられてきた。殴られるどころか、きつい言葉を浴びせられたことさえ数えるほどしかない。

まして大勢の前で、ただのボディガードに平手を食らうなんて。

「生きて帰れると思うなよ!」

理性がぷつりと切れた。頬の痛みも構わず、陸原凛は手を振り上げ、宮崎直志の顔へ叩きつけるように振り下ろす。

宮崎直志は最初から読んでいた。身をひねってかわし、伸びてきた手首をがっちり掴むと、そのまま逆に捻り上げた。

「ぐあっ!」

陸原凛が悲鳴を上げ、空いた拳で殴りかかる。

次の瞬間、二人は...

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