第20章

陸原凛が白石沢人の連れてきたボディーガードに引きずられていくのを見届けた瞬間、林原知世の手から力が抜けた。全身が硬直し、その場に縫い止められたみたいに動けない。

瞳の奥には薄い水の膜。酔いのせいなのか、それとも別の感情なのか、自分でも判別がつかなかった。いつもならきらきらしている視線が、今は沈んでいる。

宮崎直志は彼女の隣に立ち、その魂の抜けたような横顔を、余さず目に焼きつけていた。

喉仏が小さく上下する。胸の奥を、何かにぎゅっと掴まれたような痛み。

この二年、彼は彼女の飄々として華やかな姿を見慣れていた。陸原凛に腹を立てても、他人の前でこんなふうに脆さを見せたことなんてない。

い...

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