第22章

陸原凛が社内で余計な横槍を入れなくなっただけで、会社の回転は目に見えて上がった。

林原知世は自分の執務室へ戻り、デスクに置かれた案件資料へ視線を落とす。

艶やかな顔立ちに、仕事の顔が宿る。ペンを取り、要点を次々とマーキングしていった。

陸原の祖父が、わざわざ彼女に託した案件だ。相手は業界でも名の知れたテック系の巨大企業。ここをまとめられれば、陸原は新しい領域へ踏み込める。

そして――彼女が「上」に立ってから、最初の大きな仕事。

絶対に、成功させる。

午後。林原知世は秘書を伴い、約束していたホテルの個室に姿を見せた。

長い髪は高い位置でまとめ、米白色のスーツに着替えている。無駄の...

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