第34章
林原知世の視線が宮崎直志の姿を捉えた瞬間、胸がどくんと跳ねた。理屈より先に足が動いている。
ほとんど駆け足のまま彼のところへ突っ込み、焦りを隠しきれない顔で言った。
「……どうしてここにいるの?」
あの日、彼が電話を一本受けて慌ただしく去ってから、二人はずいぶん長いあいだ連絡を取っていない。
そんな宮崎直志が病院の廊下に立っている。背筋はまっすぐなのに、目の奥には拭えない疲れが沈んでいて、林原知世の口から真っ先に出たのは――。
「具合悪いの? それとも……」
言葉は途中で途切れた。けれど心配は、表情にありありと滲んでしまっている。
林原知世の目にむき出しの焦燥を見て、宮崎直志の...
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