第36章

書類が床へ落ちた瞬間、紙の束がぱらぱらと散って足元一面に広がった。

陸原凛はぎゅっと拳を握りしめ、林原知世を睨みつける。羞恥と怒りで顔を歪めた。

「林原知世! 何のつもりだ、頭がおかしいのか!」

オフィスは一瞬で水を打ったように静まり返った。突然の衝突に、誰もが息を呑む。

さっきまで陸原凛を囲んで持ち上げていた連中は、視線を二人のあいだで右往左往させ、困惑を隠せない。

「陸原社長が苦労してまとめた案件なのに、林原様はいったい……」

誰かが声を落とし、隣へ耳打ちする。

「さあ。ここ数日、社内の細々したことは全部林原様が回してたし、社長に先を越されて、手柄を取られたのが気に入らない...

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