第45章

「白石沢人……?」

スマホの画面で跳ねるその名前が、林原知世の胸をちくりと刺した。

枕元のデジタル時計に目をやる。午前3時17分。

こんな時間に、何の用だろう。

指先を画面の上で止めたまま、知世は二秒ほどその文字列を見つめた。

白石沢人は宮崎直志のいちばんの親友。――彼からの電話ということは、直志のこと?

迷って、結局、通話を受けた。喉が少し掠れている。

「白石さん?」

わざと距離のある声色を作る。

「こんな夜更けに、どうしました」

受話器の向こうが、半拍だけ沈黙した。微かにグラスが触れ合う音がして、続いて白石沢人の切迫した声が飛んでくる。

「林原さん、こんな時間にすみ...

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