第50章

反対側では、林原知世が宮崎直志と別れ、踵を返して部屋の扉に手をかけた、その背後から――怒りを押し殺したような声が飛んできた。

「林原知世!」

足が止まる。振り向くと、数歩先に陸原凛が立っていた。顔色は鉄のように青い。

「……何?」

苛立ちを隠さずに問う。

陸原凛は大股で詰め寄り、スマホの画面を彼女の目の前に突きつけた。そこに映る写真の内容は、一目で分かる。

「説明しろ。これはどういうことだ」

噛み殺しきれない怒気が、声の端々から滲む。

「そのボディガード、いったい何者なんだ? そんなに好きなのか? あいつのために陸原家の面目まで捨てるつもりか!」

林原知世はようやく画面へ視...

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