第55章
林原知世は最初こそ体がこわばっていたが、宮崎直志に導かれて二周ほど回るうちに、少しずつ感覚を掴んできた。
はじめは恐る恐る力を抜き、馬に任せて一歩ずつ前へ進ませる程度。
ところが、じわりと速度が上がると、馬場特有の青い草の匂いがふわっと鼻先をくすぐった。さっきののんびりした常歩より、ぐっと面白みが増す。
林原知世は思わず唇を結び、くすりと笑う。目尻も眉も、楽しさに染まっていた。
「度胸ついてきたか?」
斜め後ろから、笑いを含んだ宮崎直志の声。
林原知世はちらりと振り返り、顎をすっと上げる。
「当然でしょ。本小姐、飲み込み早いんだから」
そう言って大きく息を吸い、宮崎直志に教わ...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章
12. 第12章
13. 第13章
14. 第14章
15. 第15章
16. 第16章
17. 第17章
18. 第18章
19. 第19章
20. 第20章
21. 第21章
22. 第22章
23. 第23章
24. 第24章
25. 第25章
26. 第26章
27. 第27章
28. 第28章
29. 第29章
30. 第30章
31. 第31章
32. 第32章
33. 第33章
34. 第34章
35. 第35章
36. 第36章
37. 第37章
38. 第38章
39. 第39章
40. 第40章
41. 第41章
42. 第42章
43. 第43章
44. 第44章
45. 第45章
46. 第47章
47. 第48章
48. 第48章
49. 第49章
50. 第50章
51. 第51章
52. 第52章
53. 第53章
54. 第54章
55. 第55章
56. 第56章
57. 第57章
58. 第58章
59. 第59章
60. 第60章
縮小
拡大
