第4章

 会議室の扉が背後で閉まると、廊下の照明が急に眩しく感じられた。

 壁に手をついて立ち直ろうとしたが、足は鉛のように重かった。秘書の声が遠くから聞こえ、私は「病院へ」とだけ言い残し、そのまま意識を失った。

 目を覚ますと、赤く腫らした杏奈の目が飛び込んできた。

「やっと起きたの? 遺伝性の病気で末期だなんて、一言も言ってくれなかったじゃない! 最近、仕事で疲れが溜まってるだけだと思ってたのに。いつかオフィスで倒れてそのまま死ぬつもりだったの? 私に最期の挨拶すらさせない気だったの?」

 口を開こうとしたが、喉がひどく渇いていた。

「ごめん」

「謝ってどうなるのよ」杏奈は涙を拭った...

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