第6章

 拓也は彼女の言葉を遮った。

「第一に、俺はお前と付き合ったことなんて一度もない。第二に、俺には彼女がいる。それは俺の社長で、お前も会ったことがあるはずだ。今後二度と、彼女を貶めるような言葉は口にするな」

 澄音は呆然とした。

「そんなの嘘よ……じゃあ、どうしてあの時私を助けてくれたの? どうして私のために彼女と喧嘩したの? 彼女のことなんて一度も話したことがないのに、他の女とはあんなに噂になってたじゃない」

 彼女が言葉を重ねるほど、拓也の顔色は険しくなっていった。

 私は彼を見つめていた。その詰問が、ナイフのように彼の胸に突き刺さっていくのを。

 彼はようやく理解したのだ。自...

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