第44章 治療を拒否する

その瞳に、恐怖が映り込んだら――どんな光景になるのか。彼には想像すらできなかった。

背後で、石橋航平の悲鳴が裂けるように響く。

車の脇まで来ると、すでに部下が恭しくドアを開けて待っていた。

側近が追いつき、声を落として報告する。

「結翔様。これ以上は吐きませんでした。相手、かなり用心深いようで」

石橋結翔は一瞬だけ足を止めた。サングラス越しでは、誰にもその目の奥は読めない。

ただ、鼻で笑うような短い冷嗤だけが落ちる。

「顔も出せねえ鼠か」

身をかがめて車に乗り込む。

「……きれいに処理しろ」

閉まったドアを見つめた側近は、わずかに目を瞬いた。

結翔様のいつものやり方なら...

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