第50章 君に託したい

真理の視線が、冷たく菅野彩乃へ突き刺さった。

菅野彩乃はびくりと身を翻し、顔を真っ赤にして噛みつく。

「真理、なんで私を見るの? 絵は壁にちゃんとかかってたじゃない。そもそも、あんたの母親が当時きちんと保管してなかっただけかもしれないでしょ」

真理は一歩、また一歩と距離を詰める。

「専門の文化財鑑定と痕跡分析のプロを呼ぼうか。これは十五年前からあった傷なのか、それともこの三日以内に“うっかり”ついたものなのか、判断してもらえる。……それとも、防犯カメラを確認する?」

菅野彩乃はその気迫に押され、思わず一歩引いた。唇が小刻みに震え、菅野父へ縋るように視線を投げる。

「パパ、見てよ…...

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