第51章 ヒモ生活

石橋結翔がわずかに動きを止めた。

「俺に?」

「うん」

真理は顔を上げる。

「あなた個人に渡すんじゃなくて……あなたが信頼している会社とか基金に運用を任せたいの。あなたの目と力を信じてる。いい?」

石橋結翔は彼女を深く見つめた。輪郭が少しずつはっきりしてきた瞳の奥で、濃い感情が渦巻く。

彼は視線を落とし、真理の額にそっと口づける。

「いい。松下玄に連絡させる。いちばん腕のいいアート管理チームと資産アドバイザーを手配する」

真理はようやく、今日初めて心から肩の力が抜けたように笑った。

午後、石橋結翔は本間先生のもとへ再診に向かい、真理も付き添った。

検査結果は朗報だった。視...

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