第64章 財産を取り返してみせる

石橋結翔は小さく頷いた。

「続けて」

松下玄の顔から笑みがすっと消え、観念したように書類を手に取った。

……

真理はスマホを手に取り、ちらりと画面を確認する。

銀行口座への入金通知。しかも小西家の名義メモつきだった。

胸の奥がふわりと弾む。

これで母の遺産はすべて取り戻した。――なら、あの家とこれ以上、愛想笑いで付き合う必要もない。

スマホを置こうとした、その瞬間。

着信画面が割り込み、表示された名前に真理は眉をひそめた。

父――菅野文彦。

小西家の金が振り込まれた途端に電話。

今さら「どういうつもりだ」とでも責め立てる気?

真理の中で、父への情などほとんど残ってい...

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