第65章 小沢家の隠し子

「あなたの友だち……怒ってるの?」と真理が尋ねた。

受話器の向こうの声が、どこか聞き覚えのある響きに思えてならない。

『冗談だよ。気にしなくていい。あいつ、そんなに短気じゃない』

「……声、ちょっと耳に残るんだよね。私、会ったことある?」

一拍、返事が途切れた。

石橋結翔は真理の言葉を別の意味に受け取ったのか、背筋を正し、唇をきゅっと結ぶ。

『今度、ちゃんと紹介する。俺の段取りが悪かった』

その言い方に、真理は一瞬きょとんとしてから、くすりと笑う。

「違う違う。変な意味じゃないの。ただ、声が知ってる感じで……気になっただけ」

『それでも、俺の周りの人間は会わせるべきだろ』石...

ログインして続きを読む