第40章

どれほどの時間が経ったのか。救急処置室の扉が、ようやく開いた。

主治医が出てきてマスクを外す。険しい表情のまま、早村謙介へ向き直った。

「早村さん、白原さんはひとまず容体が安定しました。体液の貯留が原因で急性肺水腫を起こしていましたが、処置が間に合いました」

早村謙介は立ち上がる。喉の奥が焼けるように渇いて、声が掠れた。

「……ありがとうございます、ライトー先生」

「ただし――」

ライトーは言葉を切り、さらに強い口調で釘を刺す。

「早村さん。白原さんの腎不全は、もうかなり進行しています。腎移植を急がなければ、同じことが繰り返されますし、次は今回より危険です」

早村謙介は拳を握...

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