第46章

早村謙介が、鈴木青美はもう正気を失いかけている――そう思いかけた、そのとき。

彼女はようやく、夢の中でつぶやくみたいに口を開いた。

「あなたのお金、いらない。早村家のお金も……いらない。……施しなんて、何も」

「施しじゃない!」

胸の奥がひゅっと縮んで、早村謙介は思わず声を荒らげた。

「俺が……いや、じいちゃんが、お前を助けたいんだ! ちゃんと暮らしてほしいんだよ! なんでそうなる? なんで破ったんだ! 5,000万だぞ!」

「そうね。5,000万」

鈴木青美は笑った。

「すごい金額。早村様って、気前がいい」

「でも――私が欲しいものは、あなたには出せない。あなたがくれるも...

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