第51章

早村瑞子の病室はVIPフロアにあり、距離もそう遠くない。

鈴木青美が病室のドアを押し開けたとき、早村瑞子はベッドの背にもたれ、早村謙介に口へ運ばれるお粥を、ちびちびと飲んでいた。

顔色は青白く、視線は弱々しい。手をかけて守ってやらないと、すぐに折れてしまいそうな――そんな花に見える。

けれど、その「花」が、お婆さんに電話をかけて、お婆さんの心臓を発作で倒れさせた。

鈴木青美の姿を見た瞬間、早村瑞子の瞳がすっと陰った。怯えと委屈を貼り付けた表情のまま、早村謙介の背へ身を寄せて、さらに一歩、隠れる。

「青美さん……ど、どうしてここに……」

声はか細く、驚いた子ウサギみたいに震えていた...

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