第57章

車はガタガタと揺れ続け、ようやく人里離れた県城にたどり着いた。そこからさらに手がかりを辿り、もっと奥――朽ちかけた村落の一角にある、小さな庭付きの家へ行き着く。

夜の闇に沈むその小院は、荒れた畑の脇にぽつんと佇んでいた。低くて斑に汚れた塀。木の門は半開きで、閉め切った車内にいながら、家の中から漂う腐ったような臭いが鼻を刺す。

伊藤靜美はよろめくように門へ駆け寄った。だが、古びた木戸に指先が触れた瞬間、びくりと立ち止まる。

二十年――答えはもう目の前にある。喉までせり上がってくるのに、震える手がどうしても門を押せなかった。

中村赤人がすぐ後ろに寄り、宥めるように妻の肩を軽く叩く。そして...

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