第62章

しばらくして、早村謙介が湯気の立つ生姜湯を一椀手にして部屋へ入ってきた。

ベッド脇に腰を下ろすと、匙でそっとかき混ぜ、ふうふうと冷ましてから一口ぶんをすくい、鈴木青美の唇元へ運ぶ。

『熱いうちに飲め。汗をかけば、熱も下がりやすい』

青美は少し黙っていたが、結局は口を開き、匙の生姜湯を含んだ。

謙介は一口、また一口と、焦らず丁寧に飲ませていく。

椀が空になるころには、青美の額に細かな汗がにじみ、青白かった頬にもようやくほのかな血色が戻っていた。

謙介は椀を置き、温いタオルで彼女の額の汗をやさしく拭う。布団の端もきちんと整え、隙間風が入らないように押さえた。

『寝ろ。俺はここにいる...

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