第7章

 高沢の標的は、ある男に絞り込まれていた。

 あの時、気味の悪い視線で高沢を見つめていた、あの男だ。

 彼は遠出をするらしく、高沢は焦りを募らせた。だが確たる証拠がない以上、逮捕状は請求できない。

 同僚は「待て」と言ったが、彼女にそんな猶予はなかった。

 車を走らせ、奴を追う。

 目的地は廃墟と化した地下鉄の整備場だ。空気は小便と古びた鉄錆の臭いに満ちている。

 割れた天窓から寒風が吹き荒れ、その音はまるで子供たちの悲鳴のように響いた。

 高沢は武器を強く握りしめ、暗闇の中を進む。呼吸は浅く、荒い。

 彼女は下層トンネルで彼を見つけた。

 男はボストンバッグに荷物を詰めな...

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