第4章

 骨を刺すような湿った寒さと、骨が砕けるような激痛が交錯するが、リリスは手を緩めるつもりはなかった。鋭いピンヒールが、手筋を断ち切られた私の右手を容赦なく踏みつけ、力任せに躙り潰す。

「しぶとい命ね。毒が回っても死なないなんて」

 彼女は鼻で笑った。

 私には悲鳴を上げる力すら残っていない。

「一体、何が目的なの……」

 リリスは私の顎を無造作に掴み、歪んだ笑みを浮かべた。

「あんたという肉の盾の、最後の価値を搾り取ってあげるのよ。私とヴィクターはもうすぐ世紀の結婚式を挙げるっていうのに、最近目がぼやけてね」

「モグリの医者が、新鮮な角膜が必要だって言うの。あんたの目、悪くない...

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