第5章

隆志視点

くそっ、今何時だ?

寝返りを打ち、ナイトスタンドのデジタル時計に目を細める。朝の6時47分。そろそろ家に帰らないとな。

背中には由香里の温かい体が押し付けられ、彼女の指が、俺を夢中にさせると知っているあの手つきで、すでに背骨をなぞっていた。

「んん……おはよ、お兄~さん」首筋に囁きかけられ、その吐息が背筋をぞくぞくと駆け上がった。

俺はその感触から身を引くと、ベッドの端に足を下ろした。

「まあ待てよ」シャツに手を伸ばしながら俺は言った。「明日は結婚記念日なんだ。大人しくして、面倒を起こすなよ。今は、お前とあいつの両方を相手にする気力はないんだ」

正直、...

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