第110章カリックス

「やっちまった……」俺はため息混じりにズヴィアドへ漏らし、番を追って家路につく。先を行くアマは苛立ちを足にぶつけるように地面を踏み鳴らしている。俺に怒っているのは分かっているが、今の彼女は反則なくらい可愛い。

「当たり前だろ、クソが」ズヴィアドが苛立たしげに唸り返してくる。番を怒らせたことへの苛立ちもあるし、俺が彼女の可愛さ以外に何一つ集中できていないのも気に入らないのだ。

「何が悪かったのか分かんねぇ!」俺は訳も分からず言い返した。マークが念話で「アマがキレてる」と告げてくる前の出来事を頭の中で巻き戻す。怒っているうちのちっちゃな番がどれだけ可愛いか、なるべく考えないようにする。

俺は...

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