第133章トーマス

「ほう、ほう、ほう……アルファ様のお出ましじゃないか」女の後ろについて、玉座の間らしき場所へ入っていきながら、俺はその男に嘲りを投げた。こいつはもう狼じゃない。もはや、何でもない。

「黙れ!」マシューが立ち上がり、俺に向き直って怒鳴る。

匂いでわかる。酒臭さが鼻を突く。皮肉に笑いそうになった。栄華を誇った者も落ちるものだ。俺は、あいつのろくでなしの息子どもに牢へ放り込まれ、無理やり素面でいさせられたというのに。

「なぜここにいる?」マシューが唸るように問う。

「好きで来たわけじゃないことくらい、保証してやる」俺も低く唸り返した。

「いいえ、私は必要なの」女が言う。「あなたはもう役に立...

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