第156章マーカス

待合室の椅子に並んで座っているあいだも、アマは相変わらず緊張でぐずぐずだった。家から連れ出すのにも、呼吸を落ち着かせるのにも、少し時間がかかった。

ここでこうして、普通の人みたいに座って順番待ちをするのは、彼女にとって初めてのことかもしれない。誰かが手術に担ぎ込まれるような緊急事態でもなければ、別の急患が起きて右往左往するわけでもない。

そう、ただここにいて、待合室で自分たちの番を待っているだけだ。診てもらうのを待っている群れの者も、ほかに何人かいる。

「ママ、ママ、あれだよ」十歳くらいの子どもが、ようやくこちらに気づいたらしく、指を差しながら小声でささやいた。

「しっ、指さすのは失礼...

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