第191章カリックス

ズヴィアドはモリーに投げ飛ばされた衝撃を振り払うように頭を振った。モリーは注意をサムへ戻す。サムはまだ必死に彼女にしがみつこうとしていた。モリーはサムを壁へ叩きつけ、それでも振りほどこうとする。

ズヴィアドが立ち上がり、ライカンに向かって唸った。そして突進する。モリーは鋭く身を翻し、こちらへ爪を食い込ませようとした。だが反撃に、ズヴィアドは振り回された前脚に噛みつくことができた。ズヴィアドは噛み締めたまま引き寄せ、モリーの意識を弟からこちらへ引き剝がす。

スコルは力が抜けたようにモリーを放した。ぐにゃりと床へ崩れ落ちる。

解放されたモリーは歓喜の咆哮を上げた。両方の前脚を、爪を伸ばしたま...

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