第六章アマリー

「ママ……?」ローズが地下室の扉の陰からそっと顔を覗かせて訊く。ほんとうはママじゃなくて、叔母さんと呼ばなきゃいけないのに――その決まりごとなど恐怖が押し流していた。

「ロ……ローズ、降りて……下に……地下に戻れ」私はしゃくり上げるように言いながら、父を押しのけようとする。

「ママ……?」彼女はもう一度問う。声に、さっきよりも濃い怯えが滲む。

その怯えが耳に刺さる。両親は、彼女の目の前で私を殴るとき、銀を使うことはなかった。あるいは銀を使うなら、殴らない。どちらか一方だった。ローズは怖がって固まるだろう。動けなくなった子どもは、狙われやすい。

「そのガキを押さえろ」トーマスが命じ、再び...

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