第93章カリックス

「それで?」ジェームズが、うちの執務室のソファにだらりと身を投げたまま、歌うみたいな声で訊いてくる。

「それが何?」俺は群れの土地に関する書類に目を通しながら返す。うちの土地の一部は、何人かの人間の農家が作物用に使っている。農場は何代にもわたってその家族が守ってきたものだ。彼らは俺たちが何者かを知っていて、必要なときには秘密を守る助けにもなってくれる。作付けの季節に向けて、どの畑に何を植えるかの報告書も提出されている。

「冷たいなあ!」ジェームズが大げさに拗ねてみせ、それから身をひねってマークを見る。

「俺たちが何をしたかなんて、お前の知ったことじゃない」マークが、うちのベータに向かって...

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