第95章マーカス

机に向かい、仕事をしているふりをする。退屈だ。コルトンがいなくなってからというもの、仕事を片づける以外に気を紛らわせるものが何もない。もういっそ投げ出して、マイクおじさんの家へ戻り、アマとローズバッドと一緒に過ごしたい。だが、カルの言うとおり、群れは勝手に回ってくれるわけじゃない。ここ最近、責務をずいぶん先送りにしてきた。

もう一つ報告書を手に取った、その瞬間。胸がひゅっと縮むような、嫌な衝撃が走った。

『番だ!』アジズが唸る。声色に怒りと恐怖が混じっている。滅多に聞かない類のそれだ。

「ズヴィアドが、アマリエに異変があるって」カルが顔を上げて言う。

『今すぐ行け!』アジズが命じる。

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