チャプター 116

レオ視点

二十分後、父の書斎の高い窓から午後の金色の光が差し込み、磨き上げられたオーク材の床に複雑な模様を投げかけていた。両親は巨大なデスクの後ろに座り、その表情は驚嘆と、かろうじて抑えられた興奮との間を行き来している。俺の隣ではリナが身じろぎし、指を絡ませていた。彼女が緊張しているときに見せる、あの独特の仕草だ。

「じゃあ、彼女は本当に人を催眠術にかけられるようになったの?」母の声には、興味深い異常現象に遭遇した科学者のような、正確な抑揚があった。その目はリナの顔から一瞬も離れない。

その質問に、リナの頬骨に淡いピンク色が差した。彼女はさらに必死に手を絡ませる――胸が締め付けられるほど見慣...

ログインして続きを読む