第132章

レオ視点

境界線にたどり着くよりも早く、その臭いが鼻をついた。血、恐怖、そして俺の頭の中でシャドウが怒りの咆哮を上げる原因となった、暴力の鉄錆びた臭いだ。だが、そのすべてを覆い隠すように、俺の心臓を完全に止めるものがあった。リナの香りだ。まるで信じられないほどの猛スピードで連れ去られているかのように、その香りは急速に薄れつつあった。

俺は木立を突き抜け、一生忘れることのできない光景を目の当たりにした。地面は争いの跡でめくれ上がり、我々の戦士たちが戦い、そして散っていった場所の土には、どす黒い染みが染み込んでいた。同胞たちの遺体が、まるで壊れた人形のように散らばっている。その喉元は、外科手術...

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