チャプター 19

レオ視点

寝室の窓から朝日が差し込んでいたが、その暖かさを味わう気にはなれなかった。鈍い痛みで頭がズキズキする。

グラントを目にしたときのリナの顔が、脳裏に焼き付いて離れない。追い詰められ、まさに殺されると覚悟した動物のような、あの純然たる恐怖に満ちた表情が。その記憶を思い出すたびに、胸が痛いほど締め付けられる。俺は慰めの言葉一つかけず、その場を立ち去ってしまった。虐待者と対峙したその余波の中、震える彼女をたった一人で残して。

グラントの登場は、彼女がどれほど苦しんできたかを俺に突きつけた。奴のリナに対する仕打ちには激怒したが、同時に、俺自身の振る舞いも大してましではなかったことを認めざ...

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