チャプター 22

リナ視点

意識が段階的に浮上してきた。最初に気づいたのは体の下で感じる振動、次に肌に触れるざらついた感触だった。道が揺れるたびに頭がずきずきと痛み、目の奥で鈍い痛みが脈打っている。目を開けようとしても、そこには闇しかなかった――顔にはきつく目隠しが巻かれている。口には猿ぐつわがはめられ、乾いた布が舌に苦い。両腕は背中で痛々しいほどにねじ上げられ、肌に食い込む何かで固定されていた。

車。車の中にいる。どこかへ連れて行かれる途中だ。

その認識が、靄のかかった頭を突き抜け、吐き気を催すほどの明瞭さで襲ってきた。瞬く間に胸の内に燃え広がった恐怖は、まるで野火のようだった。どうして私はこんなに馬鹿...

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