チャプター 24

レオ視点

シャドウの咆哮が脳内に轟いた瞬間、俺は両手でケイラを突き飛ばした。彼女はよろめきながら後ずさり、カウンターに掴まって体勢を立て直したが、その顔は即座に怒りで歪んでいた。

「何すんのよ、レオ!」彼女は鋭く言い放った。

俺は彼女を見向きもしなかった。心臓が肋骨を叩き割りそうなほど激しく脈打つ。ついさっきまでそこにはなかった匂いを嗅ぎ取った瞬間、全身の筋肉がこわばった。恐怖の、危険の、そしてリナの――紛れもない匂いだ。

崖から突き落とされたかのように、胃がひゅっと落ちた。額に冷や汗が噴き出し、激しい震えが両手を襲う。酸っぱく苦いものが喉の奥からせり上がってきた。部屋がぐるぐると回り...

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