チャプター 40

レオ視点

俺の拳がジェイコブの顔面にめり込んだ瞬間、拳の下で軟骨が砕けるグシャリという感触がした。その感触は体中に響き渡り、直後、矛盾した感情の奔流が押し寄せる――野蛮な満足感が、吐き気を催すほどの罪悪感と絡み合う。荒い息を吐くたびに胸が大きく上下する。足元で血を流す男を、俺は見下ろしていた。

俺は、なんてことをしてしまったんだ?

部屋は不気味なほど静まり返っていた。ろうそくの火を吹き消すように、先ほどまでの笑い声や会話はかき消されていた。すべての視線が、俺か、あるいはくずおれたジェイコブの体に突き刺さる。鉄錆びた血の匂いが鼻をつき、見物人たちから発せられる酸っぱい恐怖の匂いと混じり合っ...

ログインして続きを読む