チャプター 44

レオ視点

焚き火のそばでリナを腕に抱き上げた瞬間、熱に浮かされた彼女の肌が俺の肌を焼いた。彼女は燃えていた。その香りは熱を帯びて濃く、俺の中の狼が守らんとする怒りで唸り声をあげるほどだった。だが、俺の血を沸騰させたのは、庭にいる雄狼どもが全員、鼻孔を広げ、飢えで目をぎらつかせながら彼女を凝視していることだった。

『ここから彼女を連れ出せ』シャドウが切迫したように唸った。『奴らを皆殺しにする前に』

俺は、こちらへ一歩踏み出してきた最も近くにいた雄に警告の睨みをくれてやった。そいつはすぐに後ずさったが、奴らの興奮した匂いが空気に混じっているのがわかる。吐き気がした。

「俺のだ」

一番近く...

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