チャプター 52

レオ視点

リナのぐったりとした体を腕に抱き、俺は病院のドアを突き破るように飛び込んだ。運動とパニックの両方で、胸が激しく上下する。「医者は! ちくしょう、医者はどこにいるんだ!?」俺の声は殺風景な廊下に響き渡り、ひび割れていた。驚いた様子のスタッフたちが、慌てて対応しようと駆け寄ってくる。

『彼女は、あまりにも静かだ』シャドウが俺の心の中で嗚咽した。いつもの冷静さは完全に砕け散っている。『静かすぎる。どうして目を覚まさないんだ?』

車での移動中、リナは一瞬だけ身じろいだが、すぐにまた意識を失ってしまった。俺がケイラから彼女を引き離して以来、彼女の体は腕の中で完全に力を失っており、その一瞬...

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