チャプター 60

リナ視点

鏡で最後の確認をして、私は柔らかな青いドレスの生地を撫でつけ、深呼吸をした。鏡に映る私は……別人みたいだった。もっと幸せそうに。肌には輝きがあり、瞳にはここ何年も見たことのなかった軽やかさが宿っていた。

『準備はできたかい、きれいな人。急がなくていい――必要なら、永遠にだって待つよ』

番の絆を通して聞こえてくるレオの声に、私の心臓はまたしても高鳴った。心に響く声に含まれる優しさ、忍耐強さ、そして純粋な愛情――時々、それは出来すぎた話のように感じられた。

でも、それは本当のことだった。レオは私のもの、そして私は彼の人。

私は階下へと向かった。緊張で胸がドキドキと高鳴っていた。...

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