第六十五章

リナ視点

翌朝、私が目を覚ますと、レオの腕が腰を庇うようにしっかりと回されていて、首筋の髪を揺らす彼の温かい息を感じた。昨晩のシャドウの優しい励ましの記憶が、この新しい能力への恐怖がまだ残っているというのに、胸を温かくしてくれた。

『準備はいい?』スノーがそっと尋ねてくる。その声には、昨日の出来事からの戸惑いがまだ残っていた。

『準備なんて、できっこないと思う』

背後でレオが身じろぎし、意識がゆっくりと戻ってくるのを感じながら、そう認めた。

「おはよう」眠気で掠れた声で、彼が私の肩口に囁く。私が身を起こそうとすると、彼の手がすぐに私の手を強く握った。「おい、どこへ行くんだ?」

「ただ...

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