第六十九章

レオ視点

リナが前方に飛びかかり、ケイラをあの木に押さえつけるのを見て、俺の胸の中で何かが爆発するのを感じた。完全に意表を突かれた。ほんの数日の訓練であれほどの制御でテレポートするなんて――信じられない光景だった。だが、その衝撃はすぐに別のものに変わった。胸を叩いて誇らしげに遠吠えしたくなるような、そんな感情に。

俺のメイトは、自分が何者であるかを皆に見せつけたのだ。それも自分を守るため、自分を傷つけようとした相手に反撃するために。リナがケイラを木の幹に押さえつけた時、恐怖で真っ青になったケイラの顔を見て、いい気分だった。本当に、最高に。たぶん、ここまで楽しむべきではなかったのだろうが、口...

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