第6章
「和也と麗奈には、必ず償わせるわ」私は拳を握りしめた。「それに、もう一人で戦うつもりはない」
直人は優しく私を見つめた。「朱里、僕はずっとそばにいるよ」
その時、鋭い痛みが胸を走った。私は胸元を押さえ、呼吸を荒げた。
「朱里!」直人はすぐに私を支えた。「どうしたんだ?」
「胸が……苦しくて……」私は空気を求めて喘いだ。「さっき、感情的になりすぎたせいかも……」
直人の顔から血の気が引いた。「すぐに病院へ行こう」
「いいの、たぶんただの……」
「だめだ!」直人はきっぱりと言った。「心臓のことだ、万が一ってこともある。今の君の状態ならなおさらだ」
彼は私を扉の方へと促した...
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