第11話

最後のベルの音で、私は混乱した思考から現実に引き戻された。誰もいない教卓から立ち上がり、よろよろとドアへ向かう。足元はおぼつかないし、股間の敏感な場所が少しヒリヒリと痛んだ。

キャットのロッカーまではすぐそこだったが、驚いたことに彼女はすでにそこにいた。キャットが私を見るなり放った第一声に、私は腰を抜かしそうになった。

「うわ、ちょっと、あんたの首どうしたの?」キャットは口をあんぐりと開け、私には見えない何かを凝視している。

「え、何?」私が息を呑むと、キャットが脇へ退き、ロッカーのドアに掛かっている鏡を指差した。つま先立ちをして鏡を覗き込んだ瞬間、私は自分の息でむせそうになった。暗い痣...

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