第148話

ケイレブ視点

リリーのあの態度は、俺の気を引くための計算に違いない。そう信じなければやっていられなかった。俺たちの間でバチバチと火花が散るような駆け引き――それは俺だけでなく、彼女の胸の内でも同じくらい激しく燃え上がっているはずだ。「手に入りにくい女」を演じて焦らすつもりなら、勝手にすればいい。こっちだってそのゲームに乗ってやる。だが、すぐに思い知らせてやるつもりだ。俺はフェアな戦いなんてする気はない。特に、俺の「番(つがい)」に関することならな。

とはいえ、もう二度とクッキーを運んでやるような真似は御免だ。両親の前であんな態度を取られた後ではなおさらだ。確かに、ん何の予告もなく突然あんな...

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