第166話

リリス視点

毛布の下で裸のまま、同じく何も身につけていないカレブと横になって十分近くが経っていた。彼の指が私の背中を優しくなぞり、円を描いている。今夜がこんな展開になるなんて、予想図とはまるで違っていた。

『あんたって本当に救いようがないわね、リリー。彼は実質、私たちを求めて懇願してるのよ! 人生で最高に強烈なオーガズムを感じさせてもらったくせに、お返しもしないつもり? やらないなら、誓ってもいいけど、強制的に発情期(ヒート)に入れてやるわよ』

思考を切り裂くようにローズの声が響いた。彼女が警告を込めて鋭く鼻先をツンと持ち上げる様子が、まざまざと目に浮かぶ。

私は内心で唸り声を上げた。...

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