第169話

カレブ視点

酒のせいか、それともついに「番(つがい)」が俺のベッドにいるという単純な事実のおかげか。ここ数週間で一番の熟睡だった。リリーはまだ怒り心頭で、クインリーの匂いがわずかでも残る服をすべて捨てさせられたが、そんなことはどうでもよかった。俺をほとんど無視し、ケイデンの腕の中で丸くなって眠ってしまったとしても、構わない。彼女はここにいたのだから。

そして、この安らぎを一度味わってしまった以上、もう二度と彼女を俺たちから離れた場所で眠らせるつもりはなかった。今夜、俺たちは彼女をマーキングする。俺の心に迷いは一切なかった。

ケイデンは「話し合うべきことが山ほどある」と言い続けていたが、帰...

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