第171話

リリス視点

ピロン。

私はため息をつき、光るスマホの画面に目をやった。ケイデンからのメッセージだ。胸が締め付けられ、見るのさえ怖くて躊躇(ちゅうちょ)してしまう。涙はもう一時間以上も止まらない。しっかりしなきゃ。誰かが死んだような顔で今夜の集まりに行くわけにはいかないんだから。

人生で怖いものなんてなかった。でも今は? たった一通のメールを読むのが怖くてたまらない。それはただのメールじゃない。もっと大きくて、重い何かへの入り口だからだ。

『速報:リリス・エモリー、自身の過ちを認める。女神はやはり正しかったのかもしれません。手遅れかどうか、続報を待て』

ケイデン:「やあ、美人さん。今朝...

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