第174話

カレブ視点

俺は皿を見下ろし、目の前にある奇妙な肉の塊をつついた。「一体これは何だ?」と眉をひそめてリリーに呟く。まるでミステリーボックスから出てきた何かのようだ。

彼女は顔をしかめ、自分の皿に鼻を近づけて匂いを嗅いだ。「知らないほうが幸せかもね」と笑って、皿を押しやる。俺も全く同感だった。

グリルでハンバーガーでも焼いて、さっさと終わりにすればいいものを。なんで俺たちは、ゴミ箱行き確定の奇妙な創作料理を前に拘束されているんだ?

プレゼンテーションが終わりかけ、会場の誰もが次の展開を待ちわびる中、明白な焦燥感が高まっていた。

「で、今ここで夕食を食べてるってことは、デートでは一体何を...

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