第18話

「捕まえた」聞き覚えのある声がそう呟き、私の身体を地面から抱き上げた。カルビンの腕の中で、私はまるで重さがなくなったかのように感じた。意識はぼんやりと漂い、まともな思考を組み立てようとしても上手くいかない。何かが決定的に、絶望的なほど狂っている。手足は反応しないか、あるいはひどく遅れて動くようだった。

カルビンは私をどこかへ運んでいた。何度も経験してきたはずの見慣れた光景や音が、今はまるで異世界の出来事のように感じられる。私は何か柔らかいものの上に放り投げられたが、それが何なのか頭が理解してくれない。指先がその素材の上をゆっくりと這い、無意識に握ったり開いたりしていた。

「彼女、気づきもし...

ログインして続きを読む