第188話

エピローグ

リリス視点

一年後

「リアム! ローガン! ペッしなさい!」

私は子供たちのべたべたした小さな手から、巨大な激辛ビーフジャーキーをひったくると、鋭い声を上げた。

「こんなの、子供の手が届くところに出しっぱなしにしたのは誰!?」

大声で怒鳴ってみたものの、返事がないことは分かっていた。パックハウスはいつものように騒がしく、私の声は背景の雑音に溶け込んでしまったからだ。

私は小さな探検家たちが、ぽってりした足でよちよちとレクリエーションルームを横切っていくのを見守った。その笑い声を聞けば、すれ違う誰もが笑顔になる。パックの仲間たちは足を止め、あやしたり、その黒髪をくしゃくしゃと撫...

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